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Faculty of Law

法学部

学部長メッセージ

「何者でもない時代」を生きる学生の皆さんへ

法学部長 落合 雄彦

学生時代とは、いわば「何者でもない時代」です。もちろん、たとえば中学生でプロ棋士となった藤井聡太さんのように、若くして自分の生きる道をみつけ、自らの才能をみごとに開花させられる人もいるでしょう。しかし、藤井さんのようなケースはむしろ稀です。私たちの多くは、中学生、高校生、そして大学生になってもなお「何者でもない時代」を通常は生きるものなのです。

龍谷大学法学部に入学するにあたって、弁護士や公務員になりたいとか、ある特定の資格をぜひ在学中に取得したいとかといった明確な目標や希望をもつことができる人は、実に幸いです。夢や希望をもって学生生活を送ることは、とても素晴らしいことです。しかし、夢や希望を実現するための勉強をしているうちに、自分には能力や適性がないと気づき、途中で夢や希望を断念するということはよくあります。また、明確な目標や夢を一応はもっていても、在学中はアルバイトなどが忙しくて、それらを実現するための努力を怠ってしまうということだってあるでしょう。それどころか、龍谷大学法学部に入学し、そこに在籍こそしているものの、将来の目標や夢なんてものはおよそもったことがない、そういう人もけっして少なくないにちがいありません。そうなのです、自分のやりたいことを一早く見つけ出すことができたごく一部の幸いな人々を除けば、多くの人々はみな、自分の将来や人生について迷いながら学生時代を過ごしているのであり、その意味で、皆さんはまだ「何者でもない時代」を生きているのです。

俳優の六角精児さんも、かつてはそうした何者でもない若者の一人でした。六角さんは大学受験に失敗し、一浪して学習院大学経済学部に入学しました。しかし、大学でやりたいことがあるわけでもなく、ほとんど授業を受けずに、パチンコやアルバイトばかりをして毎日を過ごしていたそうです。そうしたなか、自分が浪人時代から所属していた劇団の公演が決まり、俳優としての道が開けたと感じて大学をみずから退学しました。このため、六角さんの最終学歴は「学習院大学中退」です。

その六角さんがこう言っています、「夢や希望がなくても、焦る必要はないと思います。結果が出なくても、頑張ったことを否定する必要もない。人生には無駄な時間なんてないんだから。私は大学にはほとんど行かなかったですが、自分が何者でもない時にたくさんの人に出会って、自分がどんな人間なのか考えることができたのは良かったと思っています。目標がないときに出会う人って、大切ですよ」(2018年1月28日『朝日新聞』朝刊より)。

皆さんの人生の中で学生時代は、将来への夢や目標を抱きつつ様々なことに挑戦できる大変貴重な時間です。私たち龍谷大学法学部の教職員は、そうした皆さんの挑戦を多角的かつ全力で応援します。しかし、もし、皆さんが具体的な目標や夢をまだもつことができず、様々なことに迷っているとしても、心配は要りません。皆さんの頭の片隅に「自分という人間は本当にこのままでいいのか」という、素朴で、しかし根源的な自問の気持ちさえ持ち続けていれば、皆さんの道はおのずと開けるにちがいありません。そして、私たち教職員は、六角さんのいう「目標がないときに出会う人」となって、そうした「何者でもない時代」を戸惑いながら生きる皆さんをもしっかりとサポートしていきたいと考えています。

2018年4月
法学部長 落合 雄彦

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